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会長メッセージ

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 2020年1月中旬に,日本において,突然,新型コロナウィルスによる伝染病が中国武漢で発生したことが報じられました。その 後,中国国内は言うに及 ばず,欧米にもウィルス感染が拡散している状況です。日本は,4月中旬時点では,感染者の絶対数は世界の他国に比較してかなり少ないですが,感染 は依然拡大しています。

 このウィルスの世界拡散によるパンデミックは,この病原体により多くの死者が出る悲劇が既に起こっていますが,世界経済に及ぼす 影響は 甚大で,日本の産業も大きな打撃を被ることは間違いありません。その影響は既に身近な周囲においても認識できる切迫した状況になっています。

 当研究会は,毎年8月に2日間にわたって,ポリオレフィンに関連する全技術領域を総合した研究会を開催していますが,上記の事情 により,本年2020年の開催は中止せざるを得ないと判断いたしました。


 昨年,2019年までの世界の石化産業の成長は依然衰えを知らず,需要も堅調に伸び,プラント新増設意欲も高いと見受けられます が,プラスチック廃棄物問題,マイクロプラスチック問題への警告政策の拡がり,および従来世界のポリオレフィン需要を牽引してきた中 国の経済情勢の不透明さがあり,さらにコロナウィルスの影響が重くのしかかってきており,経済の低迷が危惧されています。今後のポリ オレフィの需給は予断を許さない状況になっていると思われます。

 当研究会は,日本および世界のポリオレフィン産業の発展には先駆的な技術開発を促進し,新たなブレイクスルーを生み出し続けてい くことが必要と考えており,その一助になるべく活動しています。そのためには,触媒や重合,成形加工のような個別の要素技術に関する 研究だけでなく,機能性オレフィン系高分子材料のアプリケーション用途の多様な広がりを探索し,ポリオレフィンに関連する全技術領域 を総合して研究を進めることが重要と思っています。これにはいささかも変 わりはありません。そして,そのようなポリオレフィンにかかわる情報交換の場を提供することを当研究会の第一義的な役割と位置付けています。

 皆様には長期的な視野から,当研究会へのご支援と共に,一層のご指導,ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。


2020年4月

                 寺野 稔

                 北陸先端科学技術大学院大学

                  日本ポリオレフィン総合研究会会長

研究会設立の趣旨と概要

日本ポリオレフィン総合研究会(SPOSI-J)とは

 世界のポリオレフィン産業は、樹脂需要の増大に伴い、中東や中国を筆頭に全世界に拡大しています。近年は、従来ほとんど石化産業 がなかった中南米北部、中央アジア、シベリア、アフリカ等の地域の勃興も見られます。さらにここ数年はシェールガス革命により、 極度に安価なエタン原料による北米の石油化学産業の復権が実現しようとしています。他方、日本の石油化学産業は、原油価格の高騰と長期に 亘る不況を経て、2000頃年には、汎用素材の供給者から「高機能ポリオレフィン材料の創造と製出者」へと変貌を遂げてきています。

 講演会質問ポリオレフィンの過半を占める 「世界標準仕様の汎用材料=誰でも生産可能なもの」は、国内産業としても可能な限り防衛必要ではありますが、もはや日本にとって必須の仕事ではなくなっています。 高機能化オレフィン系高分子材料は広範な分野の需要が活発で量的にも相当部分を占めるわけですが、中長期的に見れば国内産ポリオレ フィンの 量的な縮小は避けられず、産業としては今後も引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。

 日本のポリオレフィン産業が世界をリードして高機能化の発展を続けるためには真のブレイクスルーと呼べるような技術的進展が必要 であり,触媒、重合、成形加工、安定化などの各要素の技術的な進展はもちろんですが、知財あるいは社会科学的な視点,環境の側面まで を包含する統合的研究開発のような形が必要と考えられます。そのために各分野の研究者、技術者が集結して議論すると共に交流を深める 場が必要であり,多分野からの参加者に、情報交換・吸収をする場を提供することが重要と考え、本研究会を設立することと致しました。

 本研究会を通じて、ポリマーのサプライ側とユーザー側は、共に、最新の基礎的研究やその実際的な応用に関する知見を得ることがで き、またポリオレフィン産業の動向や市場の理解を深めることができるものと考えています。さらに、ポリオレフィン分野全体にかかわる 情報発信の機能を担うこと、また会員相互の人間的なつながりを深めることも併せて目的とします。

活動と行事

 上記の目的のために、本研究会は研究発表会(年会)、若手研究会と会誌の発行を行っています。現在、各活動とも年1回の頻度で、 内容は以下の通りです。

  1. 各分野の多くの方々の情報交換の場を作る狙いで、毎年1回の研究発表会「次世代ポリオレフィン総合研究会」を開催しています。この会は2日に亘り、おそよ25〜30テーマ 程度を目途として、各分野の専門家に講演を依頼し、発表後の活発な討論の場を作ります。
  2. 上記総合研究会の補足として,各企業や大学にお願いしてその場所や施設を借用し,限定範囲の特別テーマを設定して講演,見学,討論等を行う分科会を開催します.
  3. 次世代POを担う方々の技能伸展と交流を深めることを目的として、若手研究会を開催します。
  4. 研究会会誌を発行し、会員に広く配布します。上記研究会の発表と討論の成果を主体とし、それ以外にもPOに関わり造詣の深い専門家に寄稿を依頼し、約180ページ程度の論 文と記事を載せて発行しています。さらに,会誌別冊としてプラント要覧を発行しています。
  5. 海外活動の一環として、日本のポリオレフィンの高分子科学と技術、そして産業と市場動向について、海外向けに論文や記事のネット配信を予定しています。(現在準備中です)

組織・参加登録・会費

組織:
質疑
  1. 本研究会は「日本ポリオレフィン総合研究会」と称します。
  2. 本研究会の組織は会長、運営委員会、会員及び事務局からなります。
  3. 本研究会は必要な重要事項の決定機関として会長を議長とする運営委員会を設け、随時に会長の招集で開催します。
  4. 会長は運営委員会が推薦し、夏の研究発表会で承認を得るものとします。
  5. 本研究会の会員は、大学と独立研究所等の各研究室、官公庁、企業および個人の登録された会員から構成されます。
  6. 本研究会は各種連絡、庶務遂行のために事務局を置きます。研究会の所在地と事務局連絡先は下記をご参照下さい。

参加登録・会費:
  1. 会員としての登録は定期の研究発表会(7月又は8月開催)への参加時に受付において又は随時の申込み(事務局へご連絡下さい)により行うことができます。
  2. 会員の負担は研究発表会への参加費(年会誌の配布を含む)のみです。登録時の入会金や年会費はありません。会員としての参加費の特典、発表講演者の特典、会誌の購入の特典 等の詳細については3 ページを参照下さい。
  3. 会員資格は、研究発表会に不参加の場合でも、毎年継続します;但し会員本人より退会の申し出があった場合を除きます。

事務局・問合せ・ 連絡先

研究会の所在地、事務局・連絡先は以下です.

日本ポリオレフィン総合研究会(SPOSI-J)
〒923-1292 石川県能美市旭台1−1
国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス研究科
寺野 研究室内  
研究会に対する各種の連絡、ご意見、ご要望、行事に関する問合わせについては以下の連絡先にメール又は電話にて ご連絡下さい。
事務局の連絡先:
Tel: 0761-51-1622, Fax: 0761-51-1625 
e-mail: info@sposi.gr.jp
東京事務局の連絡先:
e-mail: 準備中
会誌の編集、発行や会誌のご購読に関わる事務局の連絡先(担当;郷):
Tel: 090-9382-0809
e-mail: info@sposi.gr.jp
ページでリンクする;
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ページ2; 会の目的,活動,連絡先事務局
ページ3; 次世代PO総合研究会と若手研究会
ページ4; 刊行物

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討議
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FAQ's;
このホームページ及び会誌「次世代PO総合研究」について;
(1)本ホームページの "English Ver."は公開されないのか?
→準備中です.
(2)各Vol.の目次を見たい →左上の表よりリンクしてください.すべてのVol.の目次が閲覧できます.
(3)会誌論文は,英文での発行は無いのか?
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(4)海外への販売は?
→上記のごとく,英文版はありませんが,発送は致します.その場合,発送費等につきご相談させていただきます.
(5)通常の発行月は?
→毎年11月下旬です.